
初めに…
「初期脱毛」なんて聞くと美容室など育毛メニューのあるサロン様も不安に感じたり、大切なお客様からクレームが入ってしまい、辛い思いをすることもあると思います。
ケアを始めたばかりのお客様側も、初期脱毛の意味を誤解されていて嫌な思いや辛い経験をしたこともあるかも知れません。
今日はその初期脱毛について医学的ではなく、美容室のオーナー様やお客様に分かりやすくお話をする事で、サロン側とお客様との不安という溝を少しでも取り除けたらと思います。
今回、医薬品を処方した男性のAGA絡みの初期脱毛に関しては、還元酵素である5αリダクターゼやDHT(パワーアップしたテストステロン)など男性ホルモンが絡んできます。
今回はあえて触れずに、おもに女性のお客様向けのお話になりますが、初期脱毛への考え方等は男性もほぼ変わらないと思って下さい。
目次
初期脱毛について

初期脱毛への不安
お客様が育毛のケアメニューを初めて間もない時期に、逆に抜け毛が増えたり、あるいは円形の脱毛が発生する場合があります。これが初期脱毛です。
お客様から「急に抜けが増えた気がする!」なんて連絡を受けることが稀にありますが、お客様もサロン側もどう対処すれば良いのか迷いますよね。
私も数年前になりますが、この初期脱毛の事を軽視していたために、その後ケアを続けることが出来なくなってしまいお客様にご迷惑をおかけしてした事があります。
育毛メニューを初めたのに「髪の毛が抜けた」となると、お客様自身もせっかく髪の毛を取り戻そうと頑張り始めたばかりなのに、「どうして?」と不安になると思います。
サロン側にとっても、コレが悪い結果であればあれば致命的です。保証問題にも成りかねませんしサロンへの信頼が失われてしまう場合もある一大事です。
病院で処方される外用剤(ミノキシジルなど)や内服タブレット(フィナステリド・ミノキシジル)などの医薬品系の育毛剤、更にはドラッグストアや通販でも購入ができる医薬部外品の育毛剤を使った方からも「やめた途端に抜けた」との感想を聞く事がよくあります。
私が推奨している美容室での育毛ケアを受けたお客様からも時々ご連絡を受けることもありますので今日は女性のお客様をターゲットとした「初期脱毛」についてお話をしたいと思います。
初期脱毛への考え方
実際に育毛ケアを始めたお客様から「初期脱毛になった」との連絡を受けても、決して慌てることはありません。
始められた育毛ケアのおかげで、お客様の髪の毛が少しづつ正常な状態に戻ろうとしている証だとお考えください。
症状そのものを考えてしまうと抜け毛・薄毛の進行だと勘違いしそうですが、乱れていた髪の毛のヘアサイクルが育毛ケアを始めた事で、正常な状態に戻ろうとしているのです。
その過程で元気で健康な新生毛が少し早く顔を出そうとして脱毛寸前の休止期にある髪の毛を強制的に押し出したために起こるのです。
つまりは、「初期脱毛」というのは育毛ケアをしていく上で、良い兆候なのです。
そのお客様の気持ちに少しでも寄り添ってあげて、初期脱毛への理解をして頂けば宜しいかと思います。
初期脱毛が起こるメカニズム

髪の毛のヘアサイクル
私たちの髪の毛が伸びる過程には、髪の毛の成長の毛周期と言われるヘアサイクルがあります。先ほどもチラッと出ましたが育毛に携わった方なら耳にした事もありますよね!
実は髪の毛と言うのは一生の間ずっと伸び続けるワケではなく、新しく生まれては成長して一定の時期が来ると成長が止まり、そしてまた一定の時期が来ると脱毛する。これを繰り返しています。
これをヘアサイクルと言います、初期脱毛をお話する上で重要なポイントになります。
シャンプー中に手に絡んでいる抜け毛はヘアサイクルの末期でもある「休止期」を終えた髪の毛なのです。
髪の毛は1日に100本抜けている
健康な人間でも、1日に100本前後は抜けますので、ヘアサイクルが正常で健康であれば何も問題はありません。
私のサロンでは以前に1日の抜け毛が1,000本以上あるお客様の髪の毛の本数を数えたことがあります。
髪の毛のヘアサイクルは健康な状態で5年~6年と言われ、発毛&脱毛を繰り返し1本の寿命を終えるのです。
ヘアサイクルが異常な状態で、抜け毛・薄毛のお客様はこのヘアサイクルは1年~2年くらいになっていると言われています。
このことから髪の毛が初期脱毛するのは、ある意味、肌の表面の角化作用(ターンオーバー)とよく似ている流れになります。何となくイメージが分かると思います。
ヘアサイクル(毛周期)の乱れ

このヘアサイクルには、大きく3つの時期があります。
このヘアサイクルの説明に関しては、医学的にも3つではなく4つや5つと様々な医学関係者様の素晴らしい解釈がありますが、我々美容室レベルにおいて今回はできるだけシンプルに3つとしてお話を薦めさせていただきます。
❶どんどんどんどんどんどん成長し伸びていく成長期
❷血液の供給が止まり髪の毛が成長を終え抜ける準備をする退行期
❸毛母細胞の育成が終わり次の新しい髪の毛が生えてきて下から押し上げるのを待つ休止期になります
育毛講座でもお話をしていますが、抜け毛や薄毛になる原因は3つの3大原因がありその原因によって最終的にこのヘアサイクルが乱れる事で髪の毛や頭皮のトラブルが起こります。
初期脱毛を語る上で、このヘアサイクルというのは大きな意味を持ちます。
育毛ケアメニューを始めると、乱れているヘアサイクルが正常に戻り、休止期の髪の毛が一斉に抜け落ちる現象を一般的に初期脱毛といます。
初期脱毛の期間
初期脱毛の期間
個人差はもちろんありますが、私の経験ではケアを始めて2週間位〜1ヵ月位で起き始めることが多く、その後長い方でも3ヶ月ぐらいで終える事が多いと言われています。
この初期の脱毛の期間中でも、抜け毛の量が増えたり、減ったり、止まっていたり、と症状は様々のようです。
それでもほとんどの方が2ヶ月~3ヶ月位で初期脱毛の症状が減り、正常なヘアサイクルを取り戻すことで初期脱毛の症状は終わると言われています。
初期脱毛は準備期間!
この初期脱毛と言うのは、実際に抜け毛が増えて脱毛したりするのですが、決して副作用という考え方ではなく、美容室での育毛ケアとご自宅でのホームケアが効いてヘアサイクルが正常な状態になろうとしている準備期間なのです。
この事を知らないお客様方が初期脱毛になると、怖くて育毛ケアを止めてしまったり、サロンに通わなくなってしまうのも本末転倒です。
そうならないためにも、育毛ケアを始めるにあたりお客様にはこれから起きうる事をお伝えしなければなりません。
お客様には、この初期脱毛の時期だからこそ、気持ちの切り替えをして頂き、今は髪の毛が生えてくる準備期間なのだと言う事を前向きに伝えましょう。
お客様へのアドバイス

前もってお伝えする
当サロンにおいても育毛ケアを始めるお客様にはお話をするようにしていますが、その時にお客様にお伝えする事による様々なリスクを考えるよりも、転ばの先の杖ではありませんが、お客様には起こりうる不安を予めお伝えして、その対処法をお伝えする事はお客様への当たり前の考え方だと思っています。
お伝えの方法と内容
的な流れでお伝えをすれば宜しいかと思います。
そんな中でやはりヘアサイクルのお話は欠かすことができません。
・初期脱毛が起こるヘアサイクルのお話。
・副作用ではなく正常な状態に戻る準備期間の話。
・初期脱毛が終わる期間
・ケアの中止は危険!
「初期脱毛=安心」という流れで、お客様が不安にならないようにお伝えして見てはいかがでしょうか?
初期脱毛のお話はまあまあシビアなお話になりますので「無用な心配をしないでケアを続けることが大事ですよ!」と言うポイントを押さえてお話しすることが大事なのかも知れません。
終わりに…

まとめ・・・
初期脱毛というのは、ヘアサイクルが乱れていた髪の毛が育毛ケアによって、健康の髪の毛に生まれ変わるための必要な期間なのです。
初期脱毛の症状を勘違いしてケアを止めてしまうのではなく、新たに生まれる髪の毛を成長させるための準備期間だと考えて今まで通り育毛ケアを続けて頂くのが宜しいかと思います。
初期脱毛は健康な髪の毛が生えるための、髪の毛の正常なヘアサイクルを身体が取り戻すための準備期間だと安心してケアを続けて頂ければ大丈夫です。
最後に…
今日は初期脱毛のお客様へのサロンケアと、お客様の不安の解消「お客様へどうお話をすれば良いのか?」と言うお話でした。
初期脱毛は決して怖いモノではなく、様々な育毛のケア法の効力が効き始めた証だと考えます。これからもっと育毛の効果が出てきますよ!と言う兆しなのです。
これでもう「女性の初期脱毛」は怖くありません。
サロン様も、お客様も初期脱毛について理解した上で、ケアされる事をお祈りしています。
美容室でも育毛ケアは可能になります!。
頭皮環境改善研究家の飛山でした。