美容室を経営していると、競合が非常に多いのが悩みの種となりがちです。
うまく集客できないことに頭を悩ませている経営者の方も多いのではないでしょうか。
美容室で集客できない美容室には共通の原因があります。
そこでこの記事では、美容室が集客できない原因とその対策、これから流行る美容室について解説していきます。
目次
美容室の集客の課題とは?
美容室の集客において、業界の現状としてさまざまな課題があります。
①美容室がますます増えている
美容室がますます増えていることが、美容室の集客の課題となっています。もともと美容室は店舗数が非常に多く、その数はなんとコンビニの4.5倍。
生活に密着したコンビニよりも数が多いということは、それだけ美容室業界は競合が多く、お客様の奪い合いが激しいということを示しています。
そんな中、美容室の店舗数は増え続けており、今後ますます集客が困難になるということが予想されます。
一般的な美容室では、集客のため単価をどんどん下げていくことも考えられるでしょう。
そうすると、店舗の売上が減少するばかりか、値段に価値を感じる回遊客をつかまえてしまうことになるため、美容室の経営状況が悪化してしまいかねません。
②マーケティングの経験が少ない
美容室の経営者にマーケティングの経験が少ないのも、美容室の集客の課題です。
店舗を持って独立するときに、経営の知識やマーケティングの経験が十分にある方はほとんどいません。
また、開業後も日々の業務に追われ、改めてマーケティングについて勉強する時間もないことがほとんどです。
そのため、集客の対策を打ちづらいばかりか、集客できない原因が分からないままになっている美容室も少なくありません。
③ウィズコロナ時代で新規客が少ない
ウィズコロナ時代で新規客が少なくなっているのも、美容室の集客の課題です。
新型コロナウイルスの影響から、美容室に限らず、人が集まる新しい場所には心理的に行きづらくなっています。
そのため、美容室を変えるお客様が少なく、店舗に新規で来店するお客様が以前に比べて少なくなってしまっています。
美容室が集客できない原因
数多くある美容室のなかで、集客できる美容室もあれば、集客できない美容室もあるのが現状です。
その差はどこにあるのでしょうか?
美容室が集客できない原因について解説していきます。
①ターゲットがぼやけている
ターゲットの設定がぼやけていると、美容室の集客にはつながりません。
ターゲットとは、店舗に来店させたい客層のことです。
ターゲットがはっきりしていないと、お客様に「自分が行くべき美容室ではないな」と思われてしまい、印象に残らない美容室になってしまいます。
②差別化できていない
店舗を差別化できていないと、美容室での集客は難しくなります。
マーケティングにおける「差別化戦略」とは、ライバル店との違いを作ることによって、競争に優位な立場に立つこと。
「差別化戦略」では、自店舗を差別化することによって、値段が高くてもサービスが売れる状態を目指します。
つまり、お客様を獲得するために、ライバル店と値段を下げ合うような泥沼な状況に陥らないようにするための方法ということです。
また、差別化ができていないと、ライバル店と似たり寄ったりの店舗づくりになってしまい、「ここに行こう」という決め手に欠けるサロンになってしまいます。
③再来率が低い
お客様の再来率が低いと、美容室の集客はぐっと難しくなります。
一度来店したお客様にもう一度サロンに足を運んでもらうよりも、新規のお客様を獲得するほうが、集客のためのコストがずっと大きいからです。
美容室の集客のためには、新規のお客様を再来させる仕組みづくりをすることがとても重要です。
④ライバル店が多い
ターゲットやコンセプトが似ているライバル店が多いと、美容室の集客につながっていきません。
周辺地域にそのようなライバル店が多くあると、お客様の奪い合いになってしまうためです。
そのためにも、ほかの美容室とかぶらないような店舗づくりをすることが大切です。
美容室の効果的な集客方法
それでは、美容室の効果的な集客方法について解説していきます。
①ターゲットをはっきり決める
ターゲットをはっきりと決めると、店舗の集客のための対応策が浮かんできます。
ターゲットをはっきりさせないと、誰の印象にも残らない美容室になってしまうのです。これは「自分のための美容室だ」と思ってもらえないことが理由です。
また、店舗側としても、誰の心に響く仕掛けを作ればいいのか不明確になるため、方針があいまいになってしまいます。
ターゲットを明確にし「自分の為のお店だ」と思ってもらう必要があります。
ターゲットの設定の仕方としては、お客様のペルソナをはっきりさせるとよいでしょう。マーケティング用語で「ペルソナマーケティング」と呼ばれる手法です。
ペルソナとは「仮面」という意味で、来店客のイメージを詳細に思い描いた像のことです。
具体的には
- 性別
- 年齢
- 結婚しているか
- 職業
- 収入
- 美意識の高さ
- 日常生活のライフスタイル
- よく寄る施設
- 髪に関するニーズや悩み
など、ひとりの人物を掘り下げて想像していきます。
そうすると、ターゲットとなるお客様を具体的に想像することができ、店舗のさまざまな集客対策づくりに役立てやすくなります。
ターゲットを具体的にすることで
- どんなメニューを売りにしていくか
- 価格はいくらくらいが妥当か
- 広告はどのように展開していくか
など、お客様の印象に残って来店に繋がりやすい店舗を作ることができます。
ターゲットの設定の際の注意として、店舗の立地がターゲットに足を運んでもらえる場所かをよく確認しておきましょう。
来店できないお客様の層をターゲットにしても、集客には結びつかないためです。
そのために、市場調査が必要です。
例えば、自治体のホームページから、出店エリアの人口動態や世帯年収などの統計データを調べることができます。
また、ポータルサイトで近隣のサロンの口コミなどを見ると、ターゲットがどんなサービスに満足、不満足を感じているかを知ることができます。
さらに、店舗の周りを実際に歩いてみることで、ターゲットがどんな施設にいるのか、どの時間帯に何をしているのか、などを観察することもできます。
ターゲットの設定は、すべての集客対策のスタート地点となります。
ここで方向性を間違えないよう、時間をかけて慎重に考えてみることをおすすめします。
②ライバル店と差別化する
ライバル店と自店舗を差別化することによって、美容室の集客につなげることができます。
マーケティングにおける「差別化」とは、ライバル店との違いを作ることによって、競争に優位な立場に立つこと。
加えて、ライバル店より値段が高くてもサービスが売れる状態を目指します。サービスが高くても売れるのは、お客様にとって他にない価値を感じてもらったときです。
それでは具体的に、何を差別化すればよいのでしょうか。
まずは、ブランドイメージで差別化できます。
お店のイメージを、ライバル店とは異なるようにすればいいのです。
例えば、店舗のロゴやポータルサイトのデザインなどに統一感を持たせることで、イメージはひとつのブランドとなります。
そこに価値を感じたお客様は、ライバル店ではなく自店舗に目を留めてくれることでしょう。
また、施術の内容で差別化することもできます。
これは、スタッフの技術を上げること、ライバル店では扱っていない商材を導入することなどです。
さらに、顧客サービスで差別化することもできます。
こちらは、施術以外の部分での付帯サービスを充実させることを指します。
また、お客様の来店の動線を差別化することもできます。
ポータルサイトだけでなく、自店舗のホームページやSNSなどからお客様を獲得できることは、ライバル店にはない強みとなりえます。
このように、さまざまな切り口からライバル店との違いを出すことで、お客様が自店舗を来店の有力候補として見てくれるようになるでしょう。
③再来率を上げる
美容室が集客するために、お客様の再来率を上げることは重要です。
新規客をゼロから開拓するよりも、来店してくれたお客様にもう一度店舗に足を運んでもらうほうが、はるかに集客のためのコストがかからないからです。
再来率を上げるためにできることとして、一番は、実際に来店されたお客様の声をひきだし、しっかり分析することです。
また、カウンセリングでしっかり悩みを聞いて、次回、次々回の施術の方向性を一緒に考えるようにしていきましょう。
せっかく来店したお客様に対して、その場限りの対応を行うのはもったいないです。
なぜなら、再来店しない理由の大半は「なんとなく」と言われているからです。
集客のためには、次回以降の施術の方向性を示してあげることで、その「なんとなく」を乗り切ってもらう必要があります。
また、新規のお客様に対して、来店後にDMを送ることも効果があります。
その際、期間を区切った魅力的なサービスをつけると、また足を運んでもらいやすくなります。
④あえてライバル店とは戦わない
あえてほかのサロンと戦わないような店舗づくりをするのも、美容室の集客に重要です。
つまり、ターゲットやコンセプト、客単価などを周辺地域のサロンとかぶらないようにする、ということです。
そうすると、その地域では、自店舗がターゲットにしたお客様はそのサロンに来るしかなくなるため、集客に役立ちます。
これから流行る美容室とは?
これまでは、現状をどう変えて集客につなげていくかについて、方法を紹介してきました。
次に、これから流行る美容室の施術について、解説していきます。
ヘナカラー
天然のカラーリング剤として、愛用者が増えているヘナカラー。
髪の色素を明るくすることはできませんので、白髪染めとして最適です。
ヘナとは、インドや中近東などの熱帯地方に多く自生する、ミソハギ科シコウカという植物を粉末にしたもの。
現在の通常のカラーリングは、1剤と2剤という二つの薬剤を使用することで髪の色を変えていきますが、カラーをする際、1剤に含まれるアルカリ剤がキューティクルを開き内部に影響を与えてしまうため、これがダメージとなります。
一方、ヘナには施術のダメージはなく、逆にトリートメント効果があります。
ヘナがタンパク質と結合する時髪の表面を覆い、髪内部の保水力を高めるためです。
脱白髪染め
白髪を暗く染めて隠すのではなく、周りの髪のほうをハイライトなどを使って明るくデザインし、色のコントラストを減らすことで目立たなくする、脱白髪染め。
「ファイバープレックス」というブリーチ剤を使って施術していきます。
脱白髪染めのメリットは、生え際の白髪が目立たなくなること、白髪染めよりも長持ちすることがあります。
髪を明るくすることによって若く見える効果もあることから、これから流行っていくことが予想されます。
育毛
薄毛で悩むお客様にとって、育毛サロンは気になる存在。
高齢化が進んでいく現状から、これから流行っていく施術と言えるでしょう。
育毛サロンは発毛力を回復するのではなく、今ある髪を維持することを目的としています。頭皮洗浄、頭皮マッサージ、髪への栄養補給をメインに行っていきます。
まとめ
この記事では、美容室が集客できない原因と、その解決策について解説してきました。できることから美容室の経営に取り入れていただければ幸いです。